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シリアスゲームプロジェクトシンポジウムを開催

date:2011.3

3月15日(火)、アクロス福岡にて2年目の成果発表シンポジウムを行いました。 「シリアスゲームのビジネスモデルを探る」というテーマの通り、シリアスゲームの産業化にフォーカスした内容としました。オランダからの講師、そして東京で行ったセミナーでも登壇して頂いた藤本徹氏による2本立ての基調講演から始まり、プロジェクト報告、トークセッションと続き、約130名の参加者で盛況のうちに終えることができました。 今年度は、シンポジウム全体をUstreamで生中継したり、トークセッション中にtwitterからのコメントを拾い上げるなど、新しい試みも取り入れました。

ユトレヒト芸術大学の研究員でゲームのクリエイティブディレクターでもあるMicah Hrehovcsik氏の講演

産学連携推進機構の主任研究員、そしてシリアスゲームジャパンの代表である藤本徹氏による講演。ゲーミフィケーションという新しい言葉も紹介頂きました。

リハビリウムの発表では、一緒に開発をしている長尾病院の院長先生、セラピストさん達も参加して検証実験の結果について報告しました。

パネルディスカッションではプロジェクトにおける産学官の主要メンバーが、意見を交えました。震災の影響で来場することができなかったパネラーの一人、「もじぴったん」を手がけたクリエイティブプロデューサーの中村隆之氏もtwitterから参加して下さいました。

会場の入口には、リハビリ用起立運動支援ゲーム「リハビリウム」と、福岡の街歩きアプリ「福ぶら」を展示し、参加者の皆さんに見て、遊んでいただきました。


当日のシンポジウムの様子は、Ustreamのアーカイブでご覧いただけます。


※シンポジウムの直前3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、東北・関東地方に甚大な被害をもたらしました。プロジェクトではシンポジウム当日の会場に募金箱を設置し、参加者の皆さまにご協力いただき、合計42,340円の義援金が集まりました。この義援金は3月16日、プロジェクトが責任を持って福岡市役所へ届け、被災地へ送り届けられました。ご協力いただいた皆様、有難うございました。

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東京でシリアスゲームセミナーを開催

date:2010.12


12月16日(木)、「シリアスゲームのビジネスモデルとは」と題したセミナーを東京ミッドタウンの九大芸術工学東京サイトにて開催しました。このセミナーは、東京の行政関係者、ゲーム企業や一般企業の方、そして教育関係者に集まっていただき、情報交換しながらシリアスゲームのビジネス化に深く斬り込もうという趣旨のもとに行ったものです。この日は、福岡のテレビ局の同行取材もありました。
セミナーでは、日本のシリアスゲーム研究の第一人者であり、シリアスゲーム関連の著書も多くお持ちの藤本徹先生に講演をいただきました。講演の中では国内外の最近のシリアスゲーム事情を織り交ぜながら、ゲームデザインをマーケティングやサービス開発へ応用させる Gamification(ゲーミフィケーション)に関する内容や、ビジネスモデルに結び付けるために必要となってくる方向性についてのお話を聞く事ができました。

また、シリアスゲームプロジェクトからはプロジェクトリーダーである九州大学の松隈と有限会社エレメンツの石川社長より、昨年度から今年度にかけてのプロジェクト報告を行いました。今年度開発中であるリハビリゲームと観光ゲームの現在までの進捗状況や、今後の産業化に向けての進め方などについてお話しました。
リハビリゲームについては、検証実験で協力を頂いている、福岡市城南区の長尾病院で患者さんが実際にゲームを使ってリハビリをしている様子も紹介しました。
今回私達が開発しているゲームはリハビリの基礎運動である起立運動(立ったり座ったりを繰り返す運動)に着目したもので、この実証実験はまだ始まったばかりなのですが、ゲームを使用した場合に大幅に起立回数が増える患者さんもいるという、嬉しい結果も出ています。もちろん改善点や課題も多いですが、可能性を強く感じています。

ラウンドテーブルでは、シリアスゲームは本当にビジネスとして成立するのかという難しいテーマに対し、参加の皆さんからたくさんのご意見を頂きました。世界的に見れば、シリアスゲームが定着し、ゲームの社会拡張が進んでいる現状においては、シリアスゲームの開発をするのはゲーム会社だけと決まっている訳でもなく、どんな方法で誰に売るのかも決まりはありません。
ただ、シリアスゲームでもエンターテイメントゲームでも、面白くないものはユーザーはやらないという事は確かです。本プロジェクトとしても、まずはきちんとした効果と楽しさをセットにしたわかりやすい成功例を示していきたいと思います。

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韓国・釜山G-Star2010ブース出展&ICON2010登壇発表

date:2010.11


<G☆Star2010>

11月18日~21日に韓国釜山で開催されたG-Star2010で試遊ブースを出展しました。G-Starには昨年も視察に来ましたが、今年は昨年以上に盛り上がっている会場の雰囲気を感じました。韓国はオンラインゲームが主流の為、試遊台にずらっと並んだパソコンとゲーマーの姿が印象的でした。

さて、シリアスゲームのブースの方も4日間通して盛況で、昨年度制作した環境をテーマにしたゲーム4作品を展示してたくさんの方々に触って頂きました。ゲームは全て日本語の為、韓国の方に理解して頂くのは難しかったかもしれませんが、コンセプトやルールの説明を通訳の方に少しお手伝いしてもらうと、結構楽しんで遊んで頂けたように思います。特に「ダーウィンの箱庭」と「鉄屑(ガラクタ)のキリン」は、言葉なしでもゲーム自体は楽しめる内容なので、特に反応がよかったです。もちろんシリアスゲームなので、学ぶ内容に関しては言葉が重要です。ただ、これらのゲームデザインやコンセプトは韓国でも十分に人を引き付ける魅力がある事がわかりました。韓国でもシリアスゲームの認知度はまだそこまで高くないと感じましたが、行政や教育機関の方々からは、最近韓国でも暴力的なゲームがとても多いので、シリアスゲームのようなゲームにとても関心がありますといった意見を多く聞きました。



<ICON2010>

G-Starと併設で開催されているICON(国際コンテンツクリエイターズカンファレンス)では、本プロジェクトのリーダーである九州大学の松隈と、有限会社エレメンツの石川社長がスピーカーとして1セッション担当しました。ICONは今年で4回目となる日本でいえばCEDECのような形式の、ゲームクリエイター向けカンファレンスです。
韓国ではシリアスゲームは機能性ゲーム(Functional Game)と呼ばれ、今回のICONでもメインテーマのひとつにされており、関心が高まってきています。
「産学官連携によるシリアスゲーム制作の可能性」という題目で、プロジェクトの紹介や産業化についての課題などを韓国の方にむけてお話しました。実のところ、昨年のICONを視察した際には、アカデミック系のセッションについては観客が2、3人のみという会場も少なくなく、今回登壇するにあたっても、集客面でドキドキしながら臨みました。
結果としては朝一番のセッションだったにも関わらず40名以上集まり、まずまず盛況のうちに終える事が出来ました。オーディエンスも学生さんを中心に講演後は個別に質問に来る人や、今すぐゲームをダウンロードしたいが、どうしたらいいか教えてほしいとPCを持ってくる人など、熱心な方が多く見受けられました。

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環境フェスティバルふくおかブース出展

date:2010.10


10月23日、24日に福岡市役所前で行われた「環境フェスティバルふくおか2010」に試遊ブースを出展しました。一般の方に遊んでもらうのを目の前で見るのは、3月のゲームフロンティアin福岡以来です。シリアスゲームプロジェクトのブースは市役所1Fに位置しており、たくさんの子供が遊びに来てくれました。目の前では"子供くるくる村"というキッズ向けのお仕事体験ができるイベントも開催されており、ちびっこ消防士や、ちびっこ警備員たちがウロウロしていてとてもかわいかったです。


いつも驚くのは、子供たちのゲームに対する反応がいいことです。「ダーウィンの箱庭」で一匹魚を作ってみせると、すぐに自分で作り始めるし、「鉄屑(ガラクタ)のキリン」などは一見小さな子供には難しいかな?とこちらが思っていても、「もう10回キリン倒した!!」とiPadを抱えてニヤリとする子などいて、スタッフもびっくりでした。子供の反応は見ていてとても勉強になります。シリアスゲームであっても、ゲームとして面白いモノを作りたいと思っています。

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CEDEC2010講演(パネルディスカッション)

date:2010.9


9月2日(木)、CEDEC2010においてシリアスゲームプロジェクトのパネルディスカッションを行いました。「産学官連携によるシリアスゲーム制作は可能か?」というテーマで、昨年度のプロジェクトの活動を通して見えてきた問題点などを取り上げながら、バックグラウンドが違う組織が一緒にゲームを作るということについて会場と一緒に議論しました。
高い競争率を突破して採択を勝ち取ったCEDECでのセッションでしたが、シリアスゲームで人は集まるのだろうか、興味を持って聞いてもらえるのだろうかと準備段階ではいろいろ心配もしましたが、予想に反して大勢の方に来て頂き、質疑応答では質問者の行列ができるという嬉しい結果となりました。

また、参加者の多くはゲーム業界、またはIT企業の方々で、それらの方々がシリアスゲームにビジネスチャンスがあるのか興味を示しているという事実を嬉しく感じました。 質疑応答ではシリアスゲームの効果測定に関してさかんに意見が出ていましたが、大学としてわかりやすく効果を示すという役割の重要性について、改めて痛感しました。
今年度プロジェクトで制作を進めているリハビリや観光のシリアスゲームに関しても、より良いゲームを制作し、また来年度のCEDECでも難関をくぐり抜けての発表ができるよう頑張りたいと思います。

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