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リハビリテーション・ケア合同研究大会(熊本)でポスター発表

date:2011.10

10月28日(金)、本プロジェクトと共同研究を行なっている長尾病院の作業療法士の梶原さんと、理学療法士の林田さんが、デモも織りまぜながらのポスター発表を行いました。より現場に近い療法士さんが多く集まる学会で、みなさん熱心に聞いて下さり、反応もとてもよかったです。


演題:「リハビリテーションへのゲームの応用に関する取り組みー起立訓練支援ゲーム「樹立の森リハビリウム」の開発ー

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CEDEC2011インタラクティブセッションで講演

date:2011.9

9月6日から8日の3日間、パシフィコ横浜で開催されたCEDEC2011に参加してきました。CEDECは日本最大のゲーム開発者カンファレンスで、3日間ゲームを中心としたコンピュータエンタテイメントに関するセッションがぎっしりと組まれ、それに携わる多くの方々が参加します。昨年はパネルディスカッションで講演しましたが、今年も厳しいセッション公募の採択を勝ち取り、インタラクティブセッションで講演することができました。 インタラクティブセッションの良かった点は、ブースにポスターと、「樹立の森リハビリウム」の実機を3日間展示し、立ち寄って下さる方々と直に意見交換ができたことです。実際たくさんの方々とお話することができました。

長尾病院のセラピストさんも、普段の白衣で参加くださいました。


今年のCEDECのテーマがクロスボーダーということもあり、分野の壁を超えてディスカッションできることを楽しみに参加していましたが、高齢者向けで、なおかつリハビリという内容が会場内で浮かないか若干の不安もありました。しかし、多くのポジティブな反応を会場で感じ、確かな意義と自信を感じることができました。その結果として、何より嬉しかったのは、CEDEC期間中の投票によって選ばれる「インタラクティブセッション賞」で、本プロジェクトが第2位に選ばれたことです!これはスタッフ一同にとって本当に励みになりました。

以下メディアでもCEDECでの発表を受け、「樹立の森リハビリウム」について紹介頂きました。ありがとうございます。

GameBusiness.jp
ITmedia ガジェット

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シンガポール Serious Games Conference で発表しました

date:2011.8


8月3日から5日にシンガポールで開催されたSerious Games Conference 2011 (SGC2011) に参加してきました。SGCは今年で2回目のシリアスゲームの国際カンファレンスです。

カンファレンス初日は各国の招待スピーカーによるIndustry Track の講演が行われ、色々なプロジェクトの紹介、今後の新しい挑戦やビジネスについての話がありました。ここでも、医療・ヘルスケアの分野では私達を含めて3つのセッションが組まれており、各国で活発に取り組まれている分野であることがわかります。 シリアスゲームショーケースでは、日本から任天堂DS用の教育ゲームをたくさんリリースしている株式会社IEインスティテュートの和田周久氏による講演もありました。 私達はこの日の午後、ゲーム業界が元気な福岡をアピールしつつ「樹立の森 リハビリウム」の紹介をデモを交えながら行いました。英語で45分間の講演ということもあり、たくさんの映像と小ネタを挟みながら、わかりやすくて楽しいプレゼンを心掛けました。頑張って準備した甲斐もあり、反応は上々でした。

カンファレンス参加者に、リハビリウムのシンプルでわかりやすいインタラクションと高齢者に向けたゲームデザインが評価されたということは、とてもうれしい結果でした。特にどの国も高齢化社会に対しては問題意識を持っているため、今後も研究開発に関して情報交換を続けたいというお話をたくさんいただきました。

2日目はB2Bの個別ミーティング、海外からのゲストスピーカーとその他ゲストによるラウンドテーブル(ディスカッション)が行われました。私達も席を用意してもらい、講演を聞いて興味を持ってくださった教育機関、ゲーム会社や大使館の方々とお話しし、たくさん情報交換できました。特にシンガポールではポリテクニックという高等専門学校(学位取得のできる実践的な学問を提供する教育機関)にゲームデザインコースを置くことがメジャーなようで、シンガポールにある5つのポリテクのうち、いくつかの学校が参加されていました。

3日目は、シンガポールの女子中学校(Crescent Girl's School) の視察と、現地のシリアスゲームスタジオの見学に行きました。
ここで大きな衝撃を受けたのがその女子中学校で、あらゆるITC技術を教育に実践的に盛り込むというコンセプトで学校が運営されていました。シンガポール政府が"未来の学校"と位置づけているパイロット校です。生徒全員が、学校での授業や家庭学習でタブレット端末を普通に使いこなし、各教室には生徒たちのディスカッションや発想を刺激するIT機器がいっぱいでした。しかもこれが女子校なのです。世界で活躍できるリーダー、自主性と新しい感覚を持った女子学生を既に多く輩出しているとのことで、シンガポールで初の女性軍隊指揮官もこの学校の卒業生だそうです。学生のみならず、それを指導する教員達もそのIT機器を使いこなせるように教育を受けているとの事でした。日本でも、まず教える側が変わる必要が大きいかもしれません。


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2011.5.17~19 ボストンGames for Health 2011で発表しました

date: 2011.5


5月17日から19日にボストンで開催されたGames for Health 2011に参加してきました。 Games for Healthは今年で7回目を迎える医療・ヘルスケア分野のシリアスゲームに関する国際カンファレンスです。

今回、私達はリハビリ用起立運動支援ゲーム「リハビリウム」の開発及び病院での有効性・安全性に関する検証に関する発表を行ってきました。また、展示ブースも設置して色々な方にリハビリウムを体験してもらいました。

17日のプレカンファレンスから始まって、18日、19日とたくさんのセッションが組まれていました。
18日の基調講演では、ペンシルバニア大学のSeligman教授による「Positive Psychology → Positive Computing → Positive Videogames」と題した講演があり、彼の提唱するPERMA(人が健康で幸せな状態にあるために寄与する5つの要素Positive emotion, Engagement, Relationships, Meaning, Accomplishmentをどうやったらゲームに取り入れられるかについてお話されていました。

私達シリアスゲームプロジェクトは、18日の17時からSensorimotor Rehab Trackの中で発表をしました。
展示スペースにもたくさん立ち寄っていただき、「ビジュアルが日本っぽいね(アニメっぽく画面が賑やかという意味で)」「Wiiバランスボード上の体重移動もとって、それもゲーム性に取り入れられないの?」「患者さんのデータはどんなものが記録できるの?セラピストが記録された結果を分析できる機能がないとなぁ」等々コメントをもらいました。
ビジュアルに関しては、日本風にかわいくていいという意見と、これではアメリカじゃ受け入れられないねという意見に分かれていました。他の出展者のゲームを見てみると、機能重視でシンプル&リアルな人間の3Dモデルが殆どで、見た目で楽しませようと意図しているものはあまり見受けられませんでした。

今回参加して海外の多くのゲーム開発者や研究者の方々とお話しをする貴重な機会を得ることができましたが、世界中の医療分野ではここまでリアルなニーズがあり、真剣にゲームで問題を解決しようとしている人達がこんなに大勢いるという事に驚きました。


私達のブースの前を使ってインタビューを撮る主催者のBen Sawyer。 into tomorrowという番組の収録でした。(番組内でもこの様子が放送されています)

プロジェクトリーダーの松隈と、長尾病院の服部院長の発表


医療系ゲームカンファレンスだけあって、ゲームの紹介掲示板も「Prescription(処方箋)」となっているのが面白かったです。

いろいろな方が展示スペースに立ち寄ってくれました。

彼女は、America's Armyや、Moonbase Alpha を制作したシリアスゲーム制作会社VIRTUAL HEROESのゲームデザイナー。アニメーションをとても気に入ってくれました。

外のテントではExergameを実際に体験できるコーナーが用意されていました。

そして、初年度のシンポジウムで基調講演をして下さったユトレヒト芸術大学のユルン教授に会場で偶然遭遇。10月にGames for healthのヨーロッパ版をオランダで開催する予定で、その宣伝と視察に来たとのことでした。ヘルスケア分野へのゲームの応用はどんどん拡大していきそうです。

今回の私達の発表スライドは、 slideshareページでご覧いただけます。

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