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シリアスゲームプロジェクトシンポジウムを開催

date:2012.3.2

3月2日(金)アクロス福岡にて、プロジェクトとして3回目の国際シンポジウムを開催しました。プロジェクトを開始した2009年から比べると、世の中ではゲーミフィケーションというキーワードと共に、ゲームの人を夢中にさせる要素を他分野へ応用するという考えが急速に広まり、シリアスゲームにもより注目が集まってきました。ゲーム産業の拡大という大きな目標を掲げて活動してきた3年間でしたが、締めくくりの年に相応しいイベントとなるよう、準備を進めました。

オープニングの基調講演では、初年度好評であったオランダのユルン・ファン・マストリヒト-イデ氏を再度お招きし、「The Future of Gameful Design」と題した講演を頂きました。マストリヒト氏の講演は、たくさんの美しいスライドを使うのが特徴で、わかりやすくゲームの応用デザインについてお話下さいました。

有限会社エレメンツの石川社長による「福ぶら」の報告に続き、プロジェクトリーダーの松隈と長尾病院の服部院長、原田主任とで「樹立の森 リハビリウム」の報告を行いました。

今回のリハビリウムの報告では、現場への導入プロセスがよりわかりやすく伝わるよう、長尾病院の療法士さん達による寸劇も取り入れました。役者並みのリアルな演技力に、会場もドッと盛り上がりました。

最後に、本プロジェクも大変注目しているゲームメソッドコンサルティング スペシャルフラッグの代表を務められている、株式会社バンダイナムコゲームスの一木裕佳氏と、東京大学の藤本徹先生をお招きしてのトークセッションを行いました。

一木氏の、小学生向け教科書を学校図書株式会社と一緒に制作したお話しや、バンダイナムコゲームスが取り組んでいる新しいサービスについてなど、企業の立場を踏まえた上でのお話はどれも興味深く、時間が本当に足りない印象でした。

そして、本プロジェクト発足当初から様々な面でご協力を頂いている藤本先生にも、現在のゲーミフィケーションの流れと次のフェイズに関する見解をアカデミックな立場からわかりやすくお話いただきました。

プログラム終了後は、プロジェクトの代表である松隈より3年間の締めくくりの挨拶と、3つの報告を行いました。まず、本プロジェクトの1年間延長が決ったこと、そして本プロジェクトスタッフが中心となりベンチャーが立ちあがること、加えて「樹立の森 リハビリウム」の商品化が決定したことです。これらはプロジェクトメンバーにとっても喜ぶべき大きな成果であり、3年目のシンポジウムで報告ができた事を嬉しく思っています。

当日のシンポジウムの様子は、Ustreamのアーカイブでご覧いただけます。

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第2回シリアスゲームセミナーを東京で開催

date:2011.12.7


12月7日(水)、昨年に引き続き東京で2回目のセミナーを開催しました。「シリアスゲーム産業化の推進に向けて」というテーマで、昨年よりさらに踏み込んだ議論ができるよう準備しました。最近では、メディアでもゲーミフィケーションという言葉が取り上げられ、盛り上がっていることもあり、昨年の約4倍の参加をいただきました。

最近、TEDスピーカーとしても注目を浴びているゲームデザイナーのジェイン・マクゴニガルの著書『幸せな未来は「ゲーム」が創る』の翻訳も手掛けられ、本プロジェクトのイベントではいつもお世話になっている東京大学大学院情報学環・特任助教の藤本先生による講演「シリアスゲーム産業の形成と今後の展開」

プロジェクトリーダーの松隈と有限会社エレメンツの石川社長による開発ゲームの報告。

開発中のゲームも展示して皆さんに見ていただきました。

パネルディスカッションではここまでの登壇者に加えて、株式会社ベネッセコーポレーションのデジタル戦略推進部ディレクターである大森雅之氏と、株式会社IEインスティテュートの事業開発室室長である和田周久氏に参加いただき、両社が実際に取り組んでいるシリアスゲームビジネスを中心としてディスカッションを進めました。ここでも、本プロジェクトがゲームをリハビリの現場へ導入した際と同様、教育現場へゲームを導入した際の難しさや、それに対する解決策など興味深いお話を聞くことができました。


この後におこなった懇親会でも、たくさんの方とご挨拶や意見交換をすることができました。多くの方がこのプロジェクトに関心を示し、期待を寄せて下さっていることに改めて感謝したいと思います。

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九州理学療法士作業療法士合同学会in福岡にて口述発表

data:2011.11.19


11月19日(土)、この日は長尾病院の理学療法士の梶原さんが口述発表を行いました。プロジェクトの背景から、実際に制作したゲームの実証データの紹介まで行い、その発表が学会の奨励発表に選出され、表彰を受けました!CEDECのインタラクティブセッションでの2位表彰に続く受賞であったため、とても励みになりました。


演題:「リハビリテーションへのシリアスゲームの応用に関する取り組み~起立訓練支援ゲーム「樹立の森リハビリウム」の開発~

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介護フェスタふくおか2011でブース出展

date: 2011.11.12


11月12日(土)、福岡市市民福祉プラザで行われた「介護フェスタふくおか2011」で、一緒にゲーム開発を行なっている長尾病院と共同でブース展示を行いました。
これまで色々な所でリハビリウムの展示を行ってきましたが、長尾病院以外で高齢者の方々にプレイして頂く機会はあまりなく、高齢者の方の反応を楽しみに臨みました。他の出展をされている介護施設の方々や、介護用品のメーカーのみなさんをはじめ、高齢者の方々もたくさんブースに立ち寄って下さり、反応はとても良かったです。
ただ、高齢者の方をゲームの前に誘導する際にはバランスWiiボードの段差がやはり気になりました。支えている私達も見ていて少し怖く感じました。特に車椅子の方がゲーム用の椅子に座りかえる時などは大変すぎて、これじゃダメだ・・と痛感しました。この点に関しては現在Kinectで解決を試みています。

そのほか展示中に長尾病院のみなさんと話していて印象的だったのは、リハビリも勿論大切だけれど、高齢者にとって重要なのは「介護予防」だという事です。高齢者は転倒すると本当に大問題で、その後に更に大きい病気に発展したり、寝たきりになったりそこから認知症が進んだり・・と本当に主悪の根源なのだそうです。リハビリウムは転倒防止のための運動支援としてもじゅうぶん対応できるため、その点においても大きな可能性を感じました。

笑顔が出ると、こちらも嬉しくなります。

「何か伸びてるねぇ」と物珍しそうな様子。

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日本リハビリテーション医学会学術集会 幕張にて口述発表

date:2011.11.2~3


11月2日から3日にかけて開催されたこの学会では、長尾病院の院長である服部先生が口述発表を行いました。ここではゲームそのものというより、産学官でリハビリゲームの開発を行なっているという取り組みの紹介に焦点を当てた内容としました。会の終盤であった為、聴衆がやや少なめではありましたが、リハビリ医学会全国大会でシリアスゲームプロジェクト及びリハビリウムの発表ができたことはプロジェクトにとっても大きな成果となりました。院長先生ありがとうございました。

演題:「産学官連携プロジェクトによるリハビリ用ゲームの開発」

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